衝撃的誘惑スパイラル

文学フリマ東京39で外食チェーンにまつわるエッセイを頒布します!

12月1日(日)文学フリマ東京39に出店します!

会場  :東京ビッグサイト 西3・4ホール
スペース:N-55 円錐形
頒布物 :新刊『火曜20時にロイヤルで』
価格  :500円

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文庫 / 52p / 500円

ロイヤルホストサーティワン、地元のフードコート。苦い思い出も背伸びした初体験も受け止めてくれた、愛する外食チェーンにまつわるエッセイ集です。

表紙はお友達の九段さんが描いてくれました!すべて本編に出てくるメニューなんです。可愛いでしょう、可愛いでしょう…!ジャケ買いも大歓迎です。

目次はこんな感じ。

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外出先や旅先に持って歩いてもらえたら幸せだなぁと、文庫本サイズの小さな本をつくりました。
みなさんの外食チェーンでの思い出を呼び寄せるきっかけになれたら嬉しいです。

嬉しいことに通販についてもお問い合わせいただきました。バタバタすぎて正直まだ考えられていないのですが、たくさん刷ったのでやりたい…!
開始時にはまたSNSでアナウンスするのでしばしお待ちください。

当日は表紙と同じ青色のお洋服で参加しようと思っています。文フリ参加される方は、ふらりと覗きに来てくださいな。

ここだよ!

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(1冊しかないのに)お品書きも作ったので、こちらをスクショすると来やすいかも!

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それでは明日ビッグサイトでお会いしましょう!

好きな人が辞める日

 

何をしても集中できず、喫茶店に行ったり買い物をしたり、用もないのにふらふらと街を歩く。 こんなにも気持ちが落ち着かないのは、好きな人の退団発表の予感があったからだ。 

 

私の好きな人は宝塚歌劇団 星組トップスターの礼真琴さん。前日に大劇場公演の千秋楽を見事に務め上げていた。 宝塚歌劇団のトップスターが退団発表をするのは、退団1作前の大劇場公演の千秋楽と東京公演の間であることが多い。

トップスター就任から5年、これまでトップスターとして主演してきた大劇場公演は8作。同期のトップスター2人が先日退団したこともあり、ファン全体に「いつその日がきてもおかしくない」という空気はあった。 

 

歩き回ることにも疲れ、15時頃に帰宅。何をするでもなく過ごすうちに太陽が傾いてきて「もしかしてもう一作あるのかも…?」と淡い期待を抱いた16時過ぎ、ニュースが飛び込んできた。

 

星組トップスター・礼真琴 退団会見のお知らせ」

 

あぁ、ついに来てしまった。

飲み込めず、細く息を吐く。あんなに覚悟していたはずなのに気が動転している。だんだんと身体が事態を飲み込み、スマホに映ったニュースの文字が滲んだ。 

 

寂しいとか悲しいとか、もちろんそんな感情が猛スピードでよぎったが、やがて「間に合ってよかった」という思いでいっぱいになった。 

 

私が礼さんの舞台を初めて見たのはたった3年半前でファン歴はそう長くない。彼女が下級生の頃から、はたまた音楽学校生の頃から目をかけているファンの方も多くいる。

それでも、私は間に合った。私が宝塚を観はじめるのがあと少し遅かったら、出会えていなかった。

 

ロミオとジュリエット」の冒頭、たんぽぽの綿毛を手に持ち背後からのライトに照らされながら舞台に現れた礼さんの姿は、いつでも鮮明に思い出せる。

礼さんがトップスターを務める時代に間に合ってよかった。あなたの舞台姿に心を揺さぶられたくさんの愛を受け取ったこと、私の人生の幸福です。

 

実を言うと、少し心がほぐれた感覚もある。今まで舞台を観るたびに「あと何回この舞台で会えるんだろう」と胸がざわめく瞬間があった。ついに退団日が発表され、いよいよ最後の花道が視界に入ってきた。

いちファンですらこんな状態なのだ、本人はどれほどの思いだったのだろう。まだまだトップスターとしての重圧がかかる日が続くとは言え、退団を発表したことで、たくさん背負っている肩の荷を一つは下ろせたんじゃないだろうか。勝手な想像だけれど、そうあってほしい。

 

ふと、彼女が退団したあとのことが頭に浮かんだ。

宝塚歌劇自体が好きだとは言え、一番に応援していた人がいなくなった公演を見続けられるだろうか。

その時はその時だ。まずは来たる退団日・2025年8月10日まで、礼さんの舞台姿をできる限り記憶に焼き付けたい。これから予定されている全ての公演の日程をカレンダーに打ち込んだ。

 

 

礼さんが退団発表をしたその日から、東京は急激に涼しくなり秋がやっと訪れた。

お風呂の温度を1度上げるだけでも心にひっかかり、これからの人生で給湯器のボタンを触るだけでも今日のことを思い出すのかもしれないと思ったりした。

 

 

礼真琴さんの退団発表に寄せて
2024年9月23日

 

 

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雨季のバンコク2泊4日旅行記

夏は苦手と言いながら、春先の憂鬱を吹き飛ばしたくて、今年も海外旅行の予定をいれてしまった。昨年20年以上ぶりに海外に足を伸ばし、旅をすると人生の栞が増えることを実感してから、だんだん旅が好きになってきたように思う。

今年の行先は雨季まっさかりのタイ・バンコク。木曜朝に出発し日曜朝に帰国する、2泊4日のスケジュールだ。友人から聞いた「ずっと夏休みのような空気」を味わいたくて、バンコクに行くことを決めた。

 

友人と3人での旅行の予定だったが、1人はどうしても都合がつかなくなってしまい、2人で決行することに。海外旅行初心者の私と二人きりなことを心配しているだろうなと申し訳なかったので、突然1人になっても大丈夫な用意をしていこうとあれこれ事前に調べ、あらゆる心配事を解消できるものも持ち込んだ。持ち物については後日別の記事にできるといいな…。

雨季であることを心配していたが、市街地を中心に初めてのバンコクをしっかり楽しめたので、これからバンコク旅行を計画されている方にとって少しでも参考になりますように。下調べしまくった私は皆さんの記事に助けられました!

成田で見送ってくれたピカチュウ♂とピカチュウ

1日目:出国~ムーガタ~Siamで街歩き~ナイトマーケット

今回は成田発着のエアアジアを利用して格安でバンコクへ。往復で5万円もかからず移動できた。受託荷物は利用しなかったが、手荷物のキャリーが7kgを余裕で超えていたので、14kgまで手荷物を持ち込めるExtra Carry Onを予め購入。成田ではWebチェックインをしていてもしっかり計量があったので、1800円で安心を買っておくが吉。PCやiPadを持ち込むとほぼ確実に7kgを超えると思う。

6時間半かけてスワンナプームへ向かう。フライトが大の苦手なうえに9時発の便だったため、眠れない場合に備えて準備をしていった(案の定1時間も眠れず)。機内が明るいうちは本を読み、暗くなってからはPodcastを聞いて過ごした。知っている人の声がするだけでちょっと落ち着くので、Podcastを予めダウンロードしていくの、おすすめです。

 

スワンナプームに到着したのが現地時間14時過ぎ。一歩外に出るとむわっとぬるい空気!これが東南アジアかぁ~!と思いながら正直東京と変わらない暑さに驚く。東京ってもしかして雨季だった?

とにかくお腹が空いているので、ホテルにチェックインして晩ごはん第一弾を食べに行くことに。今回宿泊したのはAsookにある「マイアミホテル」。予約してからこちらのとむさんのブログを見つけて、心配ごと解消のために穴が開くほど読みました。

www.tomomidachi.com

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ホテルに着いて一安心したので、タイ通の友人(前述のとむさん)に教えてもらったムーガタ店「LIB STORY」へ。入店したのが16時くらいだったのでまだお客さんはいなかったものの、夕方からの予約席がびっしり…!人気店なんだなぁ。ムーガタは今回の旅の目的の一つだったので念願のご対面!

冷えたビールが緊張していた身体に染み入る。豚肉を食べているともりもり元気が出てきた。脂が落ちたスープと野菜を一緒に食べるのがまた美味しい。これは暑くても食べたくなる鍋だ。店内がとても清潔だし店員さんがみんな親切で、友人がGoogle Mapの口コミ書くね!と言ったらビールをサービスしてもらった。

その後は近くにあったショッピングモール「ターミナル21」をぶらっと見学し(この後何度もお世話になることに)、電車でSiamへ。バンコクらしいギラっとした光景に気分が高まってくる。
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Siamは新宿や新大久保のような繁華街で、ショッピングモールだらけ!お目当てのシールショップ「DADDY AND MUSCLE ACADEMY」を見つけてご満悦。気づいたら4000円使ってました。なぜ?

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友人が欲しがっていたバッグを探したりタイティーを飲んだり人面ヒトカゲに出会ったりしながらSiamを満喫。腹ごなしができたところでナイトマーケットに向かうことに。

噂の人面ヒトカゲ

到着したのは「ジョッドフェアーズナイトマーケット」。いわゆる夜市だけどここはかなり新しいそうで、道が広くて綺麗で歩きやすい。隣にモールもあるのでいざとなったらモールで涼める。ネオンがギラギラ光ってお祭りのようで、見るもの全部欲しい!食べたい!とうずうずしてくる。大好きなチャーンビールで乾杯し、頼んだのは見たことのない塊肉の料理。

どでかい骨付きスペアリブが入ったすっぱくて辛いスープは「レンセープ」という料理だそう。ビニール手袋をもらって肉にかぶりつきながらいただいた。お肉がホロホロで最高なのはもちろん、スープが本当にクセになる!ベースは結構すっぱくて青唐辛子の辛さがあとを引く。辛い辛い!と言いながらスプーンですくう手がとまらなかった。初めての味に興奮し、タイに来るたびに食べたい大好きな料理になった。

 

夢中でスープを食べていると周囲の店が屋根をだしてビニールをかけはじめた。もう閉店?と思っていると、突然空気が冷たくなり、ほどなくスコールが。私たちが冷たい空気を感じるかなり前から雨を予感していた現地の方々に敬服した瞬間。何故だか熟練の船乗りを想像した。

スコールのため止む無く退散。Grabを呼んでもなかなか落ち合えなさそうだったので、流しのタクシーをつかまえたらしっかりぼったくられたのは良い思い出。

2日目:チャイナタウン~ジュエリーセンター~アイコンサイアム~ワットアルン~ルーフトップバーとマッサージ

夜中には雨が止んだようで2日目は快晴。ホテルの可愛いスポットを撮影しながらGrabを待つ。今日は特に行きたかったチャイナタウンへ!朝ごはんはおかゆを食べられる「ロントウカフェ」に。ハシゴをのぼった2階席で甘いミルクティーを飲みながらおかゆセットを待つ。

おかゆは自分で好きにトッピングしながら食べるスタイルで、どのおかずも優しい中華味がたまらない。野菜や豆の触感も楽しいし、お肉や腸詰は甘辛味で特におかゆが進んでしまう。でも意外とおかゆってすぐ満腹になっちゃうんだよねぇ。
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チャイナタウンをぶらぶら眺めながら、もう一つのカフェに向かう。このあたりはバーやレストランも充実していて雰囲気もすごく好みだったので、次に来るときはチャイナタウン付近に泊まりたいねと話していた。バーからベッドに直行したいよね…。

2件目はウォールフラワーズカフェ」。来れなくなってしまった友人が見つけてくれていたお店で、店内もメニューもショーケースのケーキも全てときめく可愛さ…!あの子はきっとこれを選ぶんじゃない?と話しながらドリンクをオーダー。次は3人で来ようね。

私はオレンジのモクテルのようなドリンクに。どこかミッドサマーを思い出す色。

夜営業も充実していそうだったのでお酒を楽しむのも良さそう。おかゆで満腹になりすぎてしまいこんなに可愛いケーキを頼めなかったのが悔やまれる…。

友人のお目当てである「ジュエリーセンター」へ向かう。ブースやショップがたくさん並んでいて宝石のコミケ状態だった。宝石を扱っているのにどことなくまったりのんびりした雰囲気なのが面白い。友人はしっかりリングをゲットしていました。

 

丸一日雨という予報だったのになかなか降らず、これ幸いと船にのることに。船着き場まで15分ほど歩き対岸にあるモール「アイコン・サイアム」を目指す。モールの中に水上マーケット風のフードコートがあり、ものすごい賑わい。多分今回のバンコク旅行で一番混んでいる場所だった。
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我々はレストランフロアにあるお店が目当てだったので一旦スルーしてパッタイの老舗「ティップサマイ」へ。卵に包まれたパッタイとごろごろ果肉が入ったオレンジジュースを堪能。ライムジュースや調味料で味変しながら食べられるのが楽しい!誇張無しにもう1杯食べられた。日本にも進出してくれないかな~。

アイコンサイアムでは旅行先で必ず買っているマグネットだけ購入し退散。なんと未だに雨が降っていなかったので、諦めかけていた「ワット・アルン」に詣でることに。姿が見えた瞬間の迫力がすごくて、見つけただけで「来てよかった!」と声に出してしまった。

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敷地内は伝統衣装を着た観光客でいっぱい。諦めずに登れるところまで登ってみたけれど、階段がかなり急で手すりもないのでものすごく怖かった…。特に下りはめちゃくちゃ慎重に降りました。

引きで見ても格好良いけれど、近づくとタイル装飾の細かな模様が美しい。これをコピー&ペーストではなく一つひとつ人の手で作るなんて気の遠くなるような仕事だ。モチーフの意味がわかったらもっと面白いんだろうな。f:id:ensui_2:20240812154418j:image
かなり暑くて消耗したので、電車でルーフトップバーThe Speakeasy」に向かう。ホテルの最上階(24階)は視界が開けて風が気持ち良い!ビールやカクテルを飲みながら夕暮れの時間を楽しむ。雲の流れが速くて雨雲らしき暗い雲も流れていってしまった。
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暗くなるだけで楽しいお年頃

1日中歩いていて疲れ切っていた私たちは、急遽マッサージに行くことに決定。日本人の口コミの多さで決めた有名店「Health Land」はとにかく施設が綺麗で驚いた。飛び込みでも5分ほどで案内され、リクライニングチェアがずらりと並んだ暗くて広い部屋へ。フットマッサージ1時間450THB(2000円以下!)で、最後には肩や腕も揉んでくれる。1日中サンダルで歩き回っていたので本当に生き返った…。

 

バーではおつまみ程度の食事だったので、ターミナル21でテイクアウトをして部屋で食事をとることに。閉店間際で売り切れが多かったけれどなんとかカオマンガイとカオニャオマムアンを入手。出国時に成田の免税店で買ったシャンパンを開けて部屋で乾杯!友人はこのためにプラスチックのワイングラスまで持ってきてくれた。

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カオニャオマムアンは初体験。甘く炊いたもち米は日本人の感覚で食べると脳がバグる。一口食べるたびに混乱していた。美味しかったし面白かったので再訪時にはまた味わいたいな。

小粋なモエシャン箸置き

3日目:チャトチャック市場~カオソーイの名店~帰国

コーヒーが美味しいカフェを友人が見つけてくれていたので、朝食はカフェでサンドイッチを。何故かまたもや快晴でアイスコーヒーが美味しい!最終日も満喫すべく力を蓄える。3日目は土曜日だったので、週末しか開いていない「チャトチャック・ウィークエンドマーケット」へ。

ありとあらゆるお土産や雑貨が揃っていてとにかく広い!夫からのリクエストだった変なプリントTシャツと母にあげるストールを購入。友人は食器やシルバーアクセサリーを買っていました。スマイル柄のあみあみバッグが可愛かったな~。f:id:ensui_2:20240812154447j:image

チャトチャックの隣には世界中の古着が集まる「DDモール」が。どこを向いてもヴィンテージショップだらけで、各国の古着バイヤーが集まっているらしい。目が回るほど商品があるので本当に探す目的で来ている人はすごい…。暑さで頭がまわらなかったのでなんとなく見物だけしたけれど、面白くて可愛い服や雑貨がたくさんありました。古着好きはぜひ。

 

お腹も空いてきたので、絶対に押さえておきたかったカオソーイの名店「Thai Niyom Cuisine」に向かう。ここのビーフカオソーイが本っっ当に美味しかった…!スープがとにかく濃厚で、これだけでぐいぐいビールが進む。チキンとビーフの食べ比べもしたかったな。今回の旅のベストグルメはこのカオソーイと初日に食べたレンセープです(ベストだけど二つ…)。f:id:ensui_2:20240812154459j:image

一緒に頼んだソムタムもすごく美味しかったんだけどとてつもなく辛い。辛いものは好きなほうだけど、辛すぎてゲラゲラ笑いながら食べました。青唐辛子の辛さって他の香辛料とは違った痛覚が刺激される。ビブグルマン掲載店らしく食べたものすべて美味しかったので、できれば大人数で来て色々な料理をシェアしたい!

 

その後は近くのモールで涼み、空き時間を見つけてまたもやHearth Landでマッサージを受け、モールでお土産を買い空港へ。バンコクには石になったピカチュウもいた。事前情報では3日間雨予報だったのに初日夜のスコール以外全く雨に降られず、空港についてほどなく雨が降り出した。本当に運が良い!

石にされていた……

帰りのフライトは23:30発の深夜便。友人がラウンジに誘ってくれて、シャワーを浴びられたことに本当に感謝…。プライオリティカードへの入会を本気で考えました。搭乗したらなんとか眠りたいので、ラウンジで炭水化物タイムアタックをきめていたらもう搭乗時間に。
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帰りもExtra Carry Onを購入していたものの、オンラインチェックインだったため手荷物の計量はなくすんなり搭乗。雨の影響なのか離陸が30分ほど遅れた上に、上空では絶えず稲妻が光っていて恐怖心が煽られる。それでも3日間の疲れで2時間弱は眠ることができた。

 

目を覚ますと朝焼けの雲海の上で、日本へ帰る飛行機は朝日に向かっていた。雲がだんだんと紫やオレンジに照らされる。私と同じく眠れなかった人たちがぽつぽつとシェードを上げていて、みんなが景色に見惚れているのがわかった。写真も撮ったけれど、写真よりずっと淡くて優しい色の空だった。f:id:ensui_2:20240812154411j:image

 

昨年は台湾、韓国と近場のアジアを訪れたが、今回はさらに少し足を伸ばした東南アジアへ。飛行機への恐怖心と心配性な性格から旅行に前向きになれていなかったけれど、自分で行くと決めれば本当にどこにでも行けるんだ、と当たり前なことが感慨深くて嬉しかった。

そしてそんな旅行下手な私と一緒に旅してくれた友人にも、今回は来れなかったけれど日本からずっと応援(?)してくれた友人にも感謝しかない。ちなみに日本にいた友人はアプリで飛行機の発着も見守ってくれていたらしい。

 

おまけ:バンコクでの購入品

自分用に買ったのはステッカー類とカオニャオマムアンのマグネット、タイ料理のレシピ本、味の素のタイ料理キット、インスタントラーメン。他はお土産に。変なTシャツは撮り忘れましたが、ムエタイ柄です。いらん情報すぎる。

 

本当におまけ。シール屋さんで謎のゆるキャラぬいぐるみキーホルダー(しかもシークレット)をお土産に買い、みんなお目当てが当たって喜んでいるシーンがこちら。私は蟹です。
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思い立ったが吉日 三島へ日帰りエスケープ

平日の夜、友人2人とロイヤルホストに集まる定例会。いつも通りとりとめのないおしゃべりで労働の疲れを癒していたら、ふと昨年みんなで行った三島旅行の話になった。

 

三島は水がとても綺麗な場所で、友人に運転してもらって川を散策したりうなぎを食べたりととても楽しかったのだが、
「そういえば、車から見かけたあのレストラン…」
と誰かが発した言葉で、3人全員が同じ店を思い出した。

 

富士山が見える国道沿いに突如現れた、昭和の空気を感じる石造りのレストラン。あまりに印象的で幻なんじゃないかと思ったほど。

そして思い出したが最後、強烈に行きたい気持ちが湧いてきてしまった。

 

冗談まじりで「明日にでも行きたい!」と言っていたが、ダメ元で各々スケジュールを確認したところ、仕事の予定を調整したら…行けちゃう?!

そうして平日日帰り旅行が急遽決定。大人って案外何でもできちゃうんだなぁとテンションがあがったまま、「じゃあ数時間後に!」と軽い足取りでロイヤルホストを後にした。

 

翌朝。友人が車で迎えに来てくれて、小雨のなかドライブがスタート。

ちなみに私だけがペーパードライバーなので、運転を引き受けてくれる友人2人には頭が上がらない。いつもありがとうね。

 

目指すは国道1号線沿いのレストラン「アサカ」静岡に近づくにつれて空が晴れてきて、レースのような薄い雲から頭をのぞかせる山々がとても綺麗だった。

いよいよアサカが視界に入り、「本当にあった!」と喜ぶ私たち。

ずっしりとした石造りの建物なのに、1階部分が無く大きな1枚ガラスで向こう側まで見通せるため、浮かんでいるように見える。黄色いビニールのトンネルをくぐって階段をあがり、そうっと入店した。

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お店のなかも想像通り素敵な装飾で、シンボルのようなライトに壁から床まで同じ柄のカーペット、曲線が美しく手になじむ椅子、清潔なテーブルクロス。

雲がかかっていたので残念ながら富士山は見えなかったけれど、視界が開けていてとても気持ちが良い。まだ夢のようでふわふわした心地だ。

メニューにはベーシックな洋食がずらり。

あれもこれも美味しそうで散々迷ったあげく、私はメンチカツ、友人2人は白身魚の黄金焼きとしょうが焼きを頼んだ。

メンチカツはげんこつサイズが二つの大ボリューム!お肉がギュギュっと詰まっていて、これはもうハンバーグフライだ。

洋食に添えられた平皿のライスには、いつものお茶碗で食べるのとは全く違う美味しさがある。

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お昼時になりお客さんが増えてきたので、次の目的地であるパン屋さんブーランジェリーアダチ」へ。

友人はこのために車に冷蔵庫を積んでくる気合いの入りよう。

店内に入った瞬間幸せを感じる小麦の香りに、普段はあまりパンを食べない私もしっかり購入。

撮影前に食べてしまったサンドイッチとクロワッサン、ピスタチオのデニッシュ、そして王冠のような見た目のミルクパン。もっちりしていてミルクの香りがとっても優しかった。

パンって幸せな食べ物だなぁ。

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次に目指したのは柿田川湧水群」富士山の雪解け水が湧き出る「わき間」や柿田川を眺められる。

空気が綺麗でひんやりとしていて「近所にあったら毎日来ちゃうね」と話しながらお散歩。

その後は「純喫茶 キネマ座」へ。

平日に突然やって来た私たちに「何友達?」と不思議そうに聞いてくれるマスターとおしゃべりをしながら甘いミルクティーを飲んだ。

店内には映画のパンフレットがたくさんあって図書館のよう。壁にはマスターの「今月の映画採点表」が。ちなみに5月公開の映画では「悪は存在しない」が最高点数らしい。

マスターはお客さんや店員さんとずっと映画の話をしていて、どんな地域にでも文化的に豊かに暮らしている人はたくさんいるんだなぁとなんだか嬉しい気持ちになった。

近くに住んでいなくたって、同じ話題で楽しく盛り上がれるんだ。

 

日帰りでもこんなに色々なところに行けるんだとほくほくした気持ちで帰路につく。帰りは混むかなと思っていたが、平日なことを忘れていた。

途中で寄った足利SAもガラガラ。静岡おでんの匂いにつられ、ついつい買い食いをした。ちゃんと美味しくておすすめです。

ご挨拶したねこたち

自宅に帰ってからも翌日になってもなんだかふわふわとした気持ちで、この日帰り旅行の全てが本当の非日常だった。

車内で宇多田ヒカル椎名林檎を流していたのだが、友人に「これが二時間だけのバカンスじゃん」と言われて膝を打った。

 

平日のファミレスで突然思いついたエスケープ。

日常からそっと斜めにはみ出してみると、大人になって良かったと思えた。

 

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